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CA(客室乗務員、キャビンアテンダント)の一日〜仕事内容と役割を徹底解説〜


 

1. CA(客室乗務員・キャビンアテンダント)の一日

CAの一日と仕事内容

CAの一日は、多岐にわたる業務と責任で構成されています。
一日の始まりは、通常、出勤してからフライトの情報収集をして、客室乗務員同士でのブリーフィングから始まります。ここでは、フライトの詳細、安全確認、サービス計画などが共有されます。
その後、運航乗務員(パイロット)や地上係員たちともブリーフィングを行い、情報共有をしたうえでお客様を機内に迎える準備に取り掛かります。

お客様のご搭乗前に、機内の安全確認や物品などの確認を行い、
地上と連携をとりながらお客様をお迎えします。

お客様がご搭乗すると、CAの主な仕事は乗客の安全と快適性の確保に集中します。
これには、安全指示のデモンストレーション、緊急時の対応手順の確認、機内での乗客のニーズに応えることなどが含まれます。
飛行中は、食事や飲み物のサービス、特別な要望に対応することに加え、乗客が快適に過ごせるようサポートします。

CAは、機内の安全を常に確保する役割も担っています。
緊急事態が発生した場合、避難や応急処置などの対応を迅速に行います。
乗客の健康問題やその他の緊急事態にも適切に対処することが求められます。
保安に関することは定期的に訓練があるので、そこで知識をブラッシュアップし、実際の機内でもどのような状況でも対応が出来るようにしています。

フライト終了後には、CAは機内の清掃、次のフライトの準備、フライト報告などを行います。
これには、使用された機器のチェックや機内の整理整頓が含まれ、次の乗客にとっても快適な環境を提供するための準備が必要です。

この流れを、国内線の場合は2~4便/日ほど行います。
国際線の場合は、短い路線だと2便(往復)/日、中~長距離の路線だと3~5日かけてその中で2便(往復)する形となります。

CAの仕事は、ただのサービス提供以上の役割を担い、多くの責任を伴います。
安全とサービスの質を高いレベルで維持することで、航空会社の評判を形成する重要な役割を果たしています。

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2. 一日の始まり~出勤前の準備~

服装や身だしなみのチェック

出勤をしたらまず、制服を着用します。
制服も、ただ着るだけではなく、美しく着こなす必要があります。
髪の毛や靴、そのほか身だしなみをチェックして、フライトの準備に取り掛かります。
出勤時間は、朝の4時台のこともあれば夜の23時のこともありますので、睡眠の管理が出来るように今のうちに意識を向けておくと良いかもしれません!

フライト前のブリーフィング

機内に乗り込みフライトをする前に、ブリーフィングを何度か行います。
まずは、客室乗務員同士でのブリーフィング。
ここでは、フライトに関する情報やリスクタスクを整理して、【路線の特徴】【時間や時期によるフライトの特徴】【お客様の傾向】【特別な対応が必要なお客様の確認】などを共有し、フライトをスムーズに行えるようにすり合わせを行います。
全員で情報を共有し、その情報に対する行動案を洗い出すことで、何が起きても迅速な対処に繋げることが出来るようにしているのです。
そして、そのあとはパイロットや地上係員と情報を共有し、フライトに関する情報の整理、引継ぎや必要な対応の最終確認をします。
全員でお客様を安全に目的地までお連れするために、ここでもブリーフィングは欠かせません。

機内の準備と並行しながら情報共有をする必要もあるので、マルチタスク能力や迅速に動く力は客室乗務職に必要不可欠な能力と言えそうです。

3. 主な業務~フライト中~

機内サービス(食事、飲み物の提供)

皆さんの客室乗務員のイメージ=機内サービスをしている様子ではないでしょうか?
機内でお客様が快適に過ごしていただくためには、ただ単にサービスをするだけでは△です。
メリハリをつけて、お客様の求めていることを察しながらサービスをする必要があります。
多彩なドリンクや食事が用意されおり、乗客のリクエストに応じ、会話を楽しみながらサービスにあたります。また、国際線においては免税品の販売や入国書類の配布なども実施します。
ドリンクや食事については、路線やクラス、時期によってメニューが変わることもある為、食事・飲み物の内容、相性の良さやこだわりの説明、搭載数や配り始めから配り終わる時間配分まで事細かに覚えたり計画を立てることも重要です。
仕事はチームプレーでありながら、サービスは客室乗務員一人ひとりの資質と技量が、サービスのクオリティを左右します。
よりよいサービスを実現するために、オフの時もよく勉強する方も多いです。
例えば、ワインの知識を深めてソムリエ資格を取ったり、料理教室に通っておいしさを追求する方法を身に着けたり、読書で視野を広げたり、語学の勉強をしたり…内容は様々ですが、すべてはお客様に喜んで頂きたいという想いから、全員が知識を常にブラッシュアップしながら、お客様の要望に応えるサービスを形にしているのです。

 

4. フライト後の業務

機内清掃と整備

座席やギャレー内を軽く清掃、整備し、もし客室乗務員が知りうる上での処置で対応できない場合は、それぞれ担当の部署に連携をとらないといけません。
フライトとフライトの間の時間が非常にタイトな便もある為、スピーディに報告、連携をする必要があります。
飛行機から降りる際に、「お済のもの、ご不要のものがございましたら客室乗務員までお渡しください」というアナウンスが流れるのを聞いたことのある人もいると思います。
お客様にご協力いただくことで、清掃、整備の時間を少なくすることも出来るため、いかにお客様にご協力いただくか、フライト中にお客様のお済のものに気づいておく必要があるか、という点も重要なポイントとなってきます。

次のフライトの準備

そのまま折り返しフライトがある便だと、フライトとフライトの間は、前章で説明した【地上での保安業務】を再度行い、機内準備に入ります。
機内準備や情報整理を行いながら、休憩をとり、次のフライトに備えるという流れで次のフライトに向けて準備を行っています。

フライト後の報告とデブリーフィング

1日の全てのフライトが終了したら、フライト後のデブリーフィングにて軽くフライト全体を通しての反省や次回への改善点をおさらいします。
例えば、「お客様からこういう要望があったが結論としてお応えすることが出来なかった、次回は~するなどして最善を尽くしていくことに繋げていきたい」
「路線の特徴として~という事が本日わかったと思うので~することでよりスピード感とメリハリをもってサービスすることに繋げたい」
「本日~ことでお客様からお褒めの言葉を頂いた。次回以降も続けていきたい」
など、フライトから得た学びや次回へ活かせそうなことを共有することで、フライトの品質向上につなげていきます。

 

 

 

5.安全と快適性の確保~安全説明、応急処置など~

よく見かける、離陸前着陸前の機内の安全確認を行う業務などを含め、機内にいる間CAは常に「お客様が安全な状態か」「機内は安全に保たれているか」をチェックしています。
具体的な項目は、是非入社してから覚えていただきたいと思いますが、サービスよりも見えにくい部分がこの保安に関わる業務だと思いますので、ここではその一部をご紹介します。
イメージを広げるヒントにしてくださいね。

 

保安業務~地上編~

参考

・不審者、不審物がないか
・顔色の悪い方、酔っぱらっている方はいないか
・機内に持ち込めない物、使えない物を持ち込んでいないか
・機内機器の保安、各種機器類を正しく扱うこと
・離陸準備に関する保安業務(ベルト、テーブル、シートバック、フットレスト、手荷物収納、収納扉、ギャレーの収納状況など)
などなど

地上では、まだ不審者や不審物を飛行機外に出すことが出来たりするため、地上にいる段階で気づく事が非常に重要なのです。
また、地上と上空では気圧も違う為、お客様の顔色をしっかり見て、上空で大変なことにならないように早めにアプローチしておくことが大切。
ちなみに、

酔っぱらっているかどうかってそんなに重要なの?

と思われるかもしれませんが、上空では地上の3倍ほど酔いが回りやすくなっていると言われているので、いくら普段お酒に強い方でも少し気を付けながらお酒を楽しまれると安心です。

 

保安業務~上空編~

参考

・ベルト常時着用
・火災に関する異変がないか
・体調の変化、酔っ払い、不審な動きをしている乗客がいないか
・旅客同士のトラブルが発生していないか
・けが人が出ないような環境に整っているか
・着陸に関する保安業務
などなど

ベルト、食事中くらいは外しても良いんでしょ?

と思う方も多いのですが、飛行機は突然大きな揺れに遭遇する可能性がある為、常にベルトを着用していないと、大きなけがに繋がる恐れもあるのです。ベルトをしていた場合とベルトをしていなかった場合で、激しい揺れに遭遇した場合助かる確率に大きな差があります。ただ、お客様は全員が全員、そのことを知っている方ではない為、丁寧な説明が必要になってきます。
また、地上ではなんともなかったけど上空に行ったら急に体調に変化が…!ということもめずらしくはありません。
常に、どういったお客様がどのような状況か、どう変化する可能性があるか、飛行機の中の空間全てにアンテナを張り、安全に保つ必要があるのです。

上記に加え、常に「緊急事態」を想定して動けるようにしていないといけないという点も、客室乗務員の大きな役割です。
火災などがおいてしまった場合の緊急時の手順、機内に装備されている備品の使い方等、緊急時に迅速に動けるよう普段から十分なイメージトレーニングが必要となります。

「お客様の命がかかっている」という言葉の通り、お客様の命をお預かりする職業でもある為、
サービスだけでなく、保安に関する点も今のうちから意識を持っておくと頼れる客室乗務員になっていけるでしょう。

 

機内でのもう一つの客室乗務員の仕事

客室乗務員の仕事のうち、最も大切なのは保安要員としての仕事。ただ、その中で忘れがちなのが保安要員として、乗客の身の安全を守ると同時に【自らの安全も確保する】こと。
例えば、客室乗務員がケガをしてしまったら、助けられる命も助けられなくなる可能性が出てきてしまいますよね。
急激な揺れが生じたときは、お客様も席に戻ってベルトをすることも勿論ですが、客室乗務員もすぐさま着席し安全な状態になってから、次のステップとして乗客へのベルト着用を周知する必要があります。

また、温かい飲み物や食事を運んでいるサービスの最中に客室乗務員の判断で
例えば「この揺れは危険」など危険を察知したら、温かい飲み物サービスを見合わせる、一度サービスを中断するなどの対処が必要です。
客室乗務員も含め、誰もやけどを負わさないための対応をその時々に応じてする必要があります。

このように、客室乗務員もお客様も、飛行機に乗っている文字どおり全員が安全に過ごせるよう、その場の早めの判断やとっさの機転、意思の疎通を機能させ、未然に機内事故を防ぐことが常に求められるのが客室乗務員の仕事です。

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6. CAのキャリアパス

キャリア成長の機会(上級乗務員、トレーナーなど)
会社によってキャリアパスに違いがありますが、今回は大まかなキャリアパスについてご紹介いたします。

先任客室乗務員/CP

どの航空会社でもまず目指していくとなると、客室の責任者であるCPのポジション。何年目から挑戦できるかについては各航空会社によって異なる部分ですので、是非ホームページなどを参考にしてみてください。客室の責任者という事で、1客室乗務員として求められる要素のほかに、マネジメント力や高いコミュニケーション力、柔軟な対応力などがより求められてきます。

インストラクター

教育により携わりたいという気持ちをお持ちの方は、インストラクターを目指すのも1つの手です。インストラクターと一言で言っても、携われる教育は様々あります。例えば一番わかりやすいのは新人教育。新入社員に向けた訓練・教育を担当します。他には、保安・サービスにおいてそれぞれ分かれていたり、機種ごとの訓練を担当したり、定期的にある緊急時のための訓練を担当したり…と、インストラクターの中でも担当できる分野が異なってくるため、どの分野に携わりたいのか、イメージを持っておくと良いでしょう。

地上職

客室乗務員としてのキャリアを重ねると、管理職や採用に関わるポジション、広告に関わるポジション等様々な地上職にも挑戦する道が開けてきます。どのレベルから挑戦できるのかは航空会社によって違ってきますので、どういった分野に携われるか、いつから挑戦が可能かなどの詳細は各航空会社のホームぺージ等を参考にしてくださいね。

スキルアップのための継続教育

CAはスキルアップのために定期的に訓練・教育が行われています。
具体的には、上位クラスに向けての訓練(ビジネスクラスやファーストクラス等)、機材が多くある場合は別機材の資格取得訓練、そのほか定期的にサービスに関する教育などが実施されています。
そのほかにも、イーラーニングや資格取得支援に力を入れている会社だと、
会社のシステムを利用しながら、マナーの資格やお酒の資格を学ぶことが出来たり、
個人のスキルアップにつながるパソコンの資格やお金に関する勉強などをすることも出来ます。
様々な制度やシステムを整えている会社が多く存在しますので、上手くシステムを利用しながら仕事と両立して自身の知識を広げ、スキルアップにつなげることが出来る環境が整っています。

 

 

7. CAとは何か?~役割と魅力~

 CAの役割と重要性

CAは、航空会社において不可欠な役割を担っています。
それは、飛行中の乗客の安全と快適性を確保することです。具体的には、機内でのサービス提供、安全措置の実施、緊急時の対応などが含まれます。

保安面では、客室乗務員は飛行前の安全確認と、緊急時の避難指示など、乗客の安全を守るための様々な準備を実行します。
緊急事態が発生した場合には、客室乗務員がリーダーシップをもって乗客を導き、適切な対応をとることが求められます。
また、健康上の問題が発生した際の応急処置も彼らの重要な任務の一つです。

一方、サービス面では、飲食物の提供、快適な旅行環境の提供など、乗客の満足度を高めることが目標です。
客室乗務員は、乗客の要望に応え、快適な飛行体験を提供するために、細やかな気配りと優れたコミュニケーションスキルを発揮する必要があります。

CAの重要性は、航空会社の顔として、乗客に対する最初の印象を形成することにもあります。
振る舞い、態度、サービスの質が、航空会社の評価に直接影響を与えます。
そのため、客室乗務員は、航空会社のブランドイメージを支える重要な役割を担っているのです。

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CAの魅力と挑戦

CAの仕事は、国際的な環境で働くことの魅力と、それに伴う挑戦の両方が必要となる仕事です。
最大の魅力の一つは、世界各地を旅し、様々な文化と触れ合う機会を得られることです。
国際線に搭乗するCAは、仕事でも異国の地を訪れ、世界の多様性を体験することができます。
もちろんプライベートでも、飛行機を気軽に利用することが出来ますので、常に異文化理解や国際的な視野が拡がり、成長に繋げることができます。

また、機内で多国籍の乗客と接することは、国際的なコミュニケーションスキルを磨く絶好の機会です。
多様なバックグラウンドを持つ人々との対話を通じて、言語能力や異文化間コミュニケーション能力を強化することもできます。

しかし、この仕事は時間的、身体的な挑戦も伴います。
長時間のフライト、時差、疲労などはCAにとって避けられない現実です。
また、航空業界の変動性や緊急事態に迅速かつ適切に対応する能力も求められるため、精神的なタフさも求められる職業です。
ただ、フライトや時差、疲労の管理などはフライトを重ねるごとにどうバランスをとればうまく疲労回復できるかが体感的に分かってきますし、
質の高い睡眠・バランスの良い食事・軽い運動を心掛けていれば、体力的な面は問題なく乗り越えることが出来るでしょう。
精神的な面については、とにかく勉強と実践あるのみ。
勿論そのために、定期的に教育や実習などが必ず用意されていますので、しっかりマニュアルを通して学び、実践できるようイメージトレーニングを重ねるということで
どんな状況の中でも適切な対応・対処ができるようになっていきます。
どちらにしても、受け身の状態では乗り越えるまでに時間がかかってしまうでしょう。

結論として、客室乗務員という仕事は、国際的な舞台で働く魅力と、それに伴う様々な挑戦を提供します。このキャリアを通じて、個人の成長とともに、グローバルな視野と多様な文化を理解する豊かな経験を得ることができるでしょう。

現役CAのステイ先での様子も投稿しています

 

 

 

 

 

8. まとめ

CAの仕事は、国際的な環境の中で、様々なバックグラウンドを持つ仲間と、コミュニケーションを通してお客様の旅をより鮮やかなものにしていく役割があります。その中で求められていることは、体力、精神力、語学力、コミュニケーション力、チームワーク等々多岐にわたり、質の高さも同時に求められています。

求められていることのレベルが高く、志望者も多いため高いハードルを感じがちな職種ですが、着実に一つ一つ、知識を深め、適切な対策を取ることで確実にCAになる一歩を踏み出すことが出来ます。
日々の情報収集、知識のブラッシュアップ、そしてコミュニケーション力や語学力の向上…
一つずつ、少しずつでも夢に近づいていきましょう!
皆さんの夢が叶うことを心から応援しています!

 

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